デスクトップPC自作 グラボ選定 「SAPPHIRE PULSE RADEON RX 570 8G GDDR5」を選択

下記記事に続いて、デスクトップPC自作のパーツ選び、今回はグラフィックボードの選定です。

デスクトップPC自作 マザーボード選定 「GIGABYTE X570 AORUS PRO」を選択
デスクトップPC自作のパーツ選び、今回はマザーボードの選定です。 最新のX570チップセットを搭載しており、USB 3.2 Gen2 Type-Cがフロント、リアに1つずつ有り、リアにUSB2.0ポート有るなどUSB周りが充実しているという理由から、GIGABYTEのX570 AORUS PRO を選択しました。

グラフィックボードは映像データを演算処理し、モニターなどに出力するためのパーツです。
グラフィックボードは映像出力できる解像度や、フレームレートを左右するため、特にPCでゲームをする場合は最も重要なパーツの一つだと思います。
グラフィックボードはハイエンドのものとローエンドのもので性能が全く異なり、値段の幅も広いため、自分が必要なスペックを見極める必要があります。

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結論

最初に結論を書くと私はSAPPHIRE PULSE RADEON RX 570 8G GDDR5を選びました。

SAPPHIRE「SAPPHIRE PULSE RADEON RX 570 8G GDDR5」製品情報
AMD RADEON RX 570を搭載。高い品質と耐久性を実現しコストパフォーマンスに優れたグラフィックボード

この製品の特徴を列挙します。

・GPUチップはRadeonのミドルレンジモデルRX570
・24fps、30fpsの動画を60fpsに補間するFluid Motion機能が使える
・フルHD設定のゲームなら概ね快適にプレイ可能
・ぎりぎりだがVR Readyに近い性能でVRにも対応可能
・Radeonグラボに定評のあるSAPPHIRE製
・最安値14000円を切っており、非常にコスパが良い

私のグラボ選定方針

GPUチップメーカー ~Fluid Motionが使えるAMD Radeonを選択~

グラフィックボードを選ぶ上で最も重要なのはGPUチップを何にするか、です。
グラフィックボードは色々なメーカーの製品がありますが、グラボの要となるGPUチップは基本的にNVIDIAとAMDの2社が作っており、そのどちらかを選ぶことになります。

NVIDIAの作るGPUチップはGeForce、AMDの作るGPUチップはRadeonというブランド名が付いています。
NVIDIAのGeForce、AMDのRadeon、それぞれにハイエンドからローエンドまでのラインナップがあります。

Graphics Cards, Gaming, Laptops, and Virtual Reality from NVIDIA GeForce
NVIDIA GeForce の最先端のグラフィックス カード、ゲーミング ソリューション、ゲーミング テクノロジ。 ドライバーをダウンロードし、GeForce Experience で最適なプレイアブル設定を自動化します。
AMD Radeon™ RX グラフィックス カード
AMD RDNA™ 3 アーキテクチャに基づいて構築された AMD Radeon RX 7000 シリーズ グラフィックス カードは、次世代のパフォーマンスとビジュアルをすべてのゲーマーとストリーマーに提供します。

一概には言えないかもしれませんが、GeForce とRadeon を比較すると以下のような評価をよく目にします。

◎ゲーム用途では、GeForce の方が優位

これは純粋な計算能力の差だけではなく、ソフト側がGeForceに最適化されていることが多いという理由もあります。
そのため、あるゲームでは同等のパフォーマンスなのに、別のゲームではRadeon がGeForce に差を付けられるということがあるようです。

◎コストパフォーマンスは良い勝負だが、ミドルレンジではRadeon優位か

少し前まではマイニング特需でRadeonのグラボが高騰していたため、コストパフォーマンスもGeForce優位でしたが、最近は落ち着いてきて同等性能だと価格はどっこいどっこいという印象です。
コストパフォーマンスについては、下記サイトが興味深い分析をしていました。

GPUの性能比較(仕様/スコア/価格/コスパ)表を作成してみた。【定期更新】
GPUを選ぶ基準として、性能、コスパ、価格など色々あると思いますが、一度に性能などを比較できる表ってあまり無いので作ってみました。 特に、ベンチマークのスコアと日本円から算出したコストパフォーマンスは他には無いかなと思います。"

これを見ると、ローエンドからミドルレンジでは若干Radeonが優位でしょうか。
特に最近はRadeonのRX570、580あたりが非常に安くなっており、このクラスだとGeForceよりコスパが良さそうです。

◎ワットパフォーマンスはGeForceが優位

グラボはPCパーツの中でもトップクラスに電力を消費するパーツです。
必要な電源の容量にも関わりますし、電気代にも関係するので、気にされる方も多いと思います。
ワットパフォーマンスに関してはGeForceの方がかなり優位なようです。
例えばRadeonのミドルレンジ製品RX580はTDP185Wと、GeForceで近い性能をもつGTX1060やGTX1660のTDP120Wに対して、1.5倍程度電力消費が多くなっています。
ただ、Radeonの最新モデルのRX5700、RX5700XTはワットパフォーマンスがだいぶ改善しているようです。(それでもなお、GeForce 優位だと思います。)

◎ドライバの安定性ではGeForceが優位

口コミやレビューを見ての印象ですが、Radeonはドライバの不安定性による問題がGeForceよりも多いようです。
画面が急に映らなくなったりするとかなり焦ると思うのでこの点は改善して欲しい所ではあります。

◎動画視聴用途では、Fluid Motion機能があるRadeonの方が優位

ゲーミング性能ではGeForce優位でしたが、Radeonの大きな特徴としてFluid Motionという機能があります。
Fluid Motionとは、24fpsや30fpsの動画を60fpsに補間して再生することができる機能です。
ざっくり言うとカクカク感が気になる動画をヌルヌル動くように補間してくれます。

youtubeに比較動画が上がっていたのでいくつか紹介します。
(youtubeの画質設定で60fpsにしないと差が分からないのでご注意ください。)

 

この動画は冒頭の森の木々がスクロールしている場面が特に違いが分かりやすいです。

 

この2つはアニメ動画の例です。アニメで止め絵がスクロールするような場面は特に差が出ます。

尚、GeForceを使用する場合、SVPという補間ソフトを使うことで似たようなことができるらしいのですが、Fluid MotionはBlu-rayの再生時にも使うことができるという利点があります。(再生ソフトとしてPower DVDを別途購入する必要があります。)
そのため、Blu-rayを60fpsで見たい人にはRadeonを選ぶメリットがあると思います。
※Radeonの最新GPU、RX5700、RX5700XTではFluid Motionの機能が付いていないようなのでご注意ください。

 

上記を鑑みると、ゲーミング性能や安定性などではGeForceが優位ですが、Fluid Motionを使いたい場合やミドルレンジでコスパを重視する場合はRadeonを、という感じでしょうか。

私はアニメのBlu-rayをよく視聴していて、Fluid Motionに興味があるためRadeonを選択しました。

GPUチップ選択 ~フルHDゲームやVRに対応しコスパの良いRX570を選択~

NVIDIA GeForceとAMD Radeonにはそれぞれハイエンドからローエンドまで様々なGPUチップがラインナップされています。
性能も値段も上から下まで幅広いので、自分に必要なスペックをよく考える必要があります。

各モデルのベンチマークや消費電力、値段などをまとめた一覧表や、実際のゲームでどの程度のfpsが出るかを確認した結果などを載せて下さっているサイトがたくさんあるので、それらを参考にすると良いでしょう。

私が調べていて分かりやすいと思ったサイトをいくつか紹介します。

GPU(グラフィックボード)性能比較表【2024年最新版】
2024年版のGPU(グラボ)の性能をグラフで比較できるようにした比較表です。GeForce・Radeonなどの主要シリーズや内蔵GPUで絞り込んで比較できます。

↑各モデルのベンチマーク、TDP、参考価格、ワットパフォーマンス、コストパフォーマンスが一覧表にまとめられています。各モデルの立ち位置を把握するのに便利です。

【2024年】おすすめグラボまとめ。価格・性能比較で選ぶ。【RTX 40, RX 7000各種に対応】 : 自作とゲームと趣味の日々
【グラボレビュー100台超え!】 NVIDIA GeForce RTX 40/30シリーズやAMD Radeon RX 7000/6000シリーズなど2024年の最新GPUについて、予算や性能比較からオススメのグラフィックボードをご紹介しま...

↑「おすすめグラボ(GPU)の早見表」が分かりやすいです。

PCゲーム ベンチマーク一覧表|4KやRTX40シリーズなど - the比較
PCゲームベンチマークのスコアをまとめて掲載しています。各GeForceグラフィックスごとに、FHD、WQHD、4Kの3種類の解像度でのスコアを掲載。グラフィックス選びの参考にどうぞ。

↑個別のゲームタイトルごとのベンチマーク一覧が載っています。

VR系ベンチマークスコアまとめ
「SteamVR Perfomance Test」や「VR Mark」など、グラフィックボードのVR系の性能を…

↑VR系のベンチマーク結果の一覧が載っています。

ゲーミング性能

ゲーミング性能に関しては自分がどの解像度でゲームをしたいかによって必要な性能が大きく変わります。

◎4K(3840×2160)でゲームがしたい場合

GeForceなら、GTX1080Ti、RTX2070 SUPER、RTX2080(SUPER, Ti)あたり、
Radeonなら、Radeon VII、RX5700XTあたり
のハイエンドのGPUを選択するのが良いでしょう。

◎WQHD(2560×1440)でゲームがしたい場合

GeForceならは、RTX2060(SUPER)、GTX1080、GTX1070Tiあたりより上、
Radeonなら、RX5700、RX Vega 64、RX Vega 56あたりより上、
のハイ~ミドルレンジ以上のGPUを選択するのが良いでしょう。

◎フルHD(1920×1080)でゲームがしたい場合

GeForceなら、GTX1060、GTX1660あたりより上、
Radeonなら、RX570あたりより上、
のミドルレンジ以上のGPUを選択するのが良いでしょう。

◎ゲームはやらない場合

GeForceなら、GTX1650、GTX1050、GTX1030あたり、
Radeonなら、RX560あたり、
のローエンドのGPUで事足りると思います。
また、CPUがGPU内蔵タイプであればグラフィックボード無しでオンボードでも十分かもしれません。

尚、同じ解像度でもゲームタイトル、画質設定や、求めるフレームレートによって一概には言えないので、上記はかなりざっくりとした目安とお考えください。

やりたいゲームが決まっている場合は、「ゲームタイトル ベンチマーク結果」などで検索するとどの程度のスペックが必要かイメージが湧きやすいと思います。

VR性能

最近はPCにヘッドマウントディスプレイを接続してVRゲームができるようになってきています。

VRゲームをするための目安としてVR Readyという認証があります。
GeForceならGTX1060以上、RadeonならRX480以上が推奨されているようです。

ただし、VR Readyなら何でも快適にできるという訳ではないです。ヘッドマウントディスプレイにも解像度が高いものがあり、高解像度でVRゲームをしたい場合、より高性能なGPUを使った方が良いでしょう。

 

私の場合ですが、PCゲームはあまりやらないため、フルHDで動く程度のスペックでひとまずは良いと考えています。
VRゲームには若干興味があり今後ヘッドマウントディスプレイを試すかもしれないので、VR Readyは満たす程度のスペックは欲しいです。

RadeonでVR ReadyはRX480以上ですが、RX480の製品は軒並み販売終了しているため、近い性能だとRX570かRX580あたりになりそうです。

RX570はRX480よりわずかに下でVR Readyかどうか微妙なラインですが、RX480と大差は無いのでVRにも対応可能と思います。
RX580はRX480より上で、RX570に比べて10%前後高性能という感じですが、価格が40%程度高く、TDPもRX570の150Wに対してRX580は185Wと高いです。

RX570で性能に不満が出る状況なら、RX580でも満足できない可能性が高いので、ひとまずコスト優先でRX570を選びました。
RX570なら現状14000円程度で買えるので、買い換えることになってもダメージは少なそうですので。

メーカー、製品選択

GPUチップを選んだら、次はそのチップを載せている製品が色々あるので、その中から選定します。

その時に下記項目は確認しておくと良いでしょう。

◎メーカー
色々なメーカーがありますが、私が調べた限りで評判が良さそうなのはMSI、ASUS、SAPPHIREあたりでしょうか。
同じメーカーでも製品によって評価が異なっている場合もあるので、メーカーだけで判断せず個別製品のレビュー等を確認したほうが良いとは思います。

◎サイズ
全長がPCケースに収まるか、厚みが何スロット分専有するかを確認しましょう。
買ったけど、ケースに収まらないという事態は悲しいので。
特にハイエンドのGPUチップを載せた製品は基本的に大きいので、注意が必要です。

◎端子
同じGPUチップでも、メーカー、製品によって出力端子が異なる場合があるので、自分が必要な端子があるかを確認しましょう。

◎リファレンスモデルか、オリジナルファンモデルか
リファレンスモデルはGPUメーカー設計した標準モデルで、オリジナルファンモデルは各メーカーがGPU以外の冷却部分などを独自にデザインしたモデルです。
一般的にはオリジナルファンモデルの方が冷却性能が高く、オーバークロック設定も高めに設定されていることが多いです。
一方リファレンスモデルは価格が安い傾向があるので、そのあたりを加味して好みで選ぶと良いかと思います。

◎静音性
グラボは消費電力が大きいこともあり、ファンの音が気になりやすいパーツだと思います。
ケースとの組み合わせなども有り、事前には分かりにくい部分ですが、レビュー等を調べる時は静音性に関するコメントに注目すると良いでしょう。
「爆音」とか「うるさい」というレビューが並んでいる場合は注意が必要です。

結局、私が選んだのはSAPPHIREの PULSE RADEON RX 570 8G GDDR5です。

Radeonのグラボでは定評のあるメーカーSAPPHIREの、オリジナルファンモデルです。
端子はHDMIが2つ、DisplayPortが2つでマルチモニターやヘッドマウントディスプレイにも十分対応可能です。
低負荷時にはファンが停止する機能があり、静音性も考慮されています。高負荷時もレビューを見る限りそこまで酷い騒音ではなさそうです。
価格的にもRX570を搭載するグラボでは最安クラスで、10/14現在では最安値14000円を切っています。
GeForceのライバル製品GTX1060が安くても2万円台後半であることを考えると、現状のコスパはかなり良いと思います。

まとめ

24fps、30fpsの動画を60fpsに補間するFluid Motion機能を重視してRadeonを選び、その中でフルHDゲームやVRに対応可能でコスパが高いRX570を選択しました。
RX570搭載製品の中から、Radeonグラボに定評のあるSAPPHIRE製で、価格も14000円以下と安いSAPPHIRE PULSE RADEON RX 570 8G GDDR5を選びました。

グラボは人によって必要な性能が異なると思いますが、Blu-ray動画をヌルヌル60fpsで見たい、ゲームはそこそこできれば良い、コスパを重視したいという方は選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。

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